AV機器ワイヤレスイヤホンの真価は価格で決まる?

ワイヤレスイヤホンの真価は価格で決まる? ワイヤレスイヤホンの実機検証(hands-on review)おすすめ イメージ

ワイヤレスイヤホンを購入する際に悩むのが種類の多さ。価格も1万円以内で買えるものから3万円を超えるモデルまであり、どれを選べばよいのか迷ってしまいますよね。

価格が高ければ性能がいいのは想像がつきますが、一体いくらぐらい出せば満足できるイヤホンが買えるのでしょうか?

ワイヤレスイヤホンの真価は価格で決まる? ワイヤレスイヤホンの実機検証(hands-on review)おすすめ イメージ2

今回、雑誌『家電批評』は、1万円以下1万5千円から3万円3万円以上3つのクラスに分け、クラスごとに音質や使い勝手の検証を実行。

今回は価格差がわかりやすいように、パナソニックのテクニクスブランドに統一して音質やノイズキャンセリングなどをテストします。

テクニクスのワイヤレスイヤホンは、ハイエンド、ミドルともにベストバイに選ばれた製品なので、音質面、機能面ともにベンチマークとしてふさわしいイヤホンです。

なお、テスト結果には反映されませんが、価格別の傾向を見るためにボーズやJBL、エディファイアのイヤホンも同時に検証しています。

AV機器ソニーなど人気モデルは3万円台、エントリークラスには中華系も多く参入!

ソニーなど人気モデルは3万円台、エントリークラスには中華系も多く参入! ワイヤレスイヤホンの実機検証(hands-on review)おすすめ イメージ

【3万円以上】アップルやソニー、ボーズなどのフラッグシップが多いクラス

▼ハイエンドの例
▼ハイエンドの例 ワイヤレスイヤホンの実機検証(hands-on review)おすすめ イメージ

ソニー
WF-1000XM5

アップル「AirPods Pro 2」やパナソニック「Technics EAH-AZ100」、ソニー「WF-1000XM5」など、人気メーカーのフラッグシップモデルが並びます。

さらに、B&W「Pi8」(実売7万2600円)やDevialet「Gemini II」(実売9万9800円)などの高級機も存在します。

高音質で、ノイズキャンセリングや通話マイクの性能も優れた高機能モデルが多いクラスです。

【1万5000円〜3万円】人気オーディオメーカーの下位モデルが豊富

▼ミドルクラスの例
▼ミドルクラスの例 ワイヤレスイヤホンの実機検証(hands-on review)おすすめ イメージ

パナソニック
Technics
EAH-AZ60M2

アップルやソニー、ボーズなど、人気メーカーの下位モデルが豊富で、エントリークラスよりも、高品質な音響性能や、ノイズキャンセリング機能、外音取り込み機能など、多機能な製品が増えます。

LDACやaptX Adaptiveなど高音質コーデックにも対応する製品が多く、マルチポイント接続やワイヤレス充電などの機能も搭載しています。

【1万5000円以下】アンカーなどのオーディオメーカー以外も多く参入

▼エントリーの例
▼エントリーの例 ワイヤレスイヤホンの実機検証(hands-on review)おすすめ イメージ

アンカー(Anker)
Soundcore P40I

比較的手頃な価格で一定の品質をもつ製品が多く、幅広いユーザーに受け入れられています。

多くのメーカーがこの価格帯に製品を投入し、機能やデザインの選択肢も豊富。

通勤や通学、音楽鑑賞に十分な性能を備え、最近では低価格帯でもノイズキャンセリング機能付きの機種が増えており、コスパに優れた製品もあります。

AV機器ワイヤレスイヤホンの検証方法は?

検証方法

音質テストは、オーディオ検証のプロ2名が担当。

ゴン川野さんは主にJポップを、飯田有抄さんはクラシックを中心に評価しています。ノイキャンや外音取り込みなどの使い勝手は担当ライターと編集部で行いました。

検証の重要なポイント

【その1】解像度と音のバランス

解像度

高価なモデルほど解像度が高い傾向で、音の細かなニュアンスや情報量が多いです。

価格による違いが一番出やすい項目です。

クリアさ

音の質感が鮮明で不鮮明な部分がなく、明瞭さはあるか? 歪がないかをチェック。価格差よりブランドで差が出やすいです。

音域のバランス

低域、中域、高域の響き具合が整っているかを確認。エントリークラスは中低域が不足気味。価格差が反映されやすいです。

音像定位

ボーカルや各楽器が奏でる音の位置や方向がしっかりと感じ取れるかを確認。解像度と並び価格差が出やすいポイントです。

ダイナミクス

音量の強弱や抑揚の変化をオリジナルに忠実に再現できているかを確認。高価格帯になるほど再現度が高いです。

ノイキャン有無

ノイキャンをオンにすると音質が変わることがあり、サウンドが劣化することも。オンとオフで音質の変化を確認しました。

【その2】ノイキャンとマイクが大幅に進化!

ノイズキャンセリング

年々ノイキャンの性能が上がっており、低価格帯でも十分な効果があります。

価格差による効果の違いがどのくらい出るのか興味深いです。

外音取り込み

ノイキャン用のマイクを使って周囲の音を取り込んでいます。性能が高いと自分の耳よりクッキリ聞こえて補聴器のようにも使えます。

通話マイク性能

通話相手にイヤホンからの声がキレイに聞こえるか? をチェック。音声マイクの性能やデジタル処理で価格差が出そうなポイントです。

※「ノイキャンのなし」は、ノイキャンをオフにした際の音質の良さを評価しています。

AV機器【クラス別】パナソニックのワイヤレスイヤホンのおすすめは?

プロと一緒に実際に使ってみた、パナソニックのワイヤレスイヤホンのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。

ランキングは項目名で並び替えられます
商品
パナソニックTechnics EAH-AZ100
ワイヤレスイヤホンの実機検証(hands-on review)おすすめ パナソニック Technics EAH-AZ100 イメージ
4.46
4.70 4.50 4.75 4.40 4.25 3.65
5.9g(約、片耳)
10時間(約)
3台
パナソニックTechnics EAH-AZ80
ワイヤレスイヤホンの実機検証(hands-on review)おすすめ パナソニック Technics EAH-AZ80 イメージ
4.15
4.58 4.00 4.38 3.90 4.00 3.40
7g(片耳)
7時間(約)
3台
パナソニックTechnics EAH-AZ60M2
ワイヤレスイヤホンの実機検証(hands-on review)おすすめ パナソニック Technics EAH-AZ60M2 イメージ
3.96
4.25 3.90 4.00 3.75 3.50 4.00
7g(約、イヤホン片耳)、45g(ケース)
7時間(約)、24時間(約、充電ケース使用時)(ともにANCオン、AAC再生)
3台
パナソニックTechnics EAH-AZ40M2
ワイヤレスイヤホンの実機検証(hands-on review)おすすめ パナソニック Technics EAH-AZ40M2 イメージ
3.74
4.13 4.00 4.08 3.25 3.50 2.75
5g(片耳)
5.5時間(約)
3台

【ハイエンドクラス】パナソニック「Technics EAH-AZ100」

総合評価: 4.46

 
解像度
 4.70
クリアさ
 4.50
音域のバランス
 4.75
音像定位
 4.40
ダイナミクス
 4.25
ノイキャン無し
 3.65
重量
5.9g(約、片耳)
対応コーデック
LDAC/SBC/AAC/LC3
ドライバーユニット
磁性流体ドライバー
連続再生時間
10時間(約)
マルチポイント
3台
型番
EAH-AZ100-S
ゴン川野 氏
オーディオライター
ゴン川野 氏 のコメント

ワイヤレスでもここまで高音質と思わせてくれる音。これでノイキャン搭載など無線のイヤホンが主流になったことが納得できる。

飯田有抄 氏
クラシック音楽ファシリテーター
飯田有抄 氏 のコメント

前回の検証後、改めて聴くとほっとする上質感。深みのある落ち着いたサウンドながら、解像感も得られるバランスがいい。

解像度

ゴン川野 氏
オーディオライター
ゴン川野 氏 のコメント

パナソニック「Technics EAH-AZ80」と比較して解像度が上がっている。特に低域の輪郭がしっかりしている。

クリアさ

飯田有抄 氏
クラシック音楽ファシリテーター
飯田有抄 氏 のコメント

ピアノのサウンドなど非常にクリア。耳に刺さる感じではなく、まろやかさもある。

音域のバランス

飯田有抄 氏
クラシック音楽ファシリテーター
飯田有抄 氏 のコメント

低域は深く、中域は厚く、高域はツヤと輝きがある。バイオリン協奏曲などが楽しい。

音像定位

ゴン川野 氏
オーディオライター
ゴン川野 氏 のコメント

左右の空間が広くスピーカー再生に近い音場感。低音楽器の位置も明確。

ダイナミクス

ゴン川野 氏
オーディオライター
ゴン川野 氏 のコメント

低域の解像度が高まっているのでダイナミックな表現自体も優れている。

ノイキャン無し

飯田有抄 氏
クラシック音楽ファシリテーター
飯田有抄 氏 のコメント

オフの音質は豊かで繊細。静かな場所で聴くならノイキャンオフが断然いい!

【ハイエンドクラス】パナソニック「Technics EAH-AZ80」

総合評価: 4.15

 
解像度
 4.58
クリアさ
 4.00
音域のバランス
 4.38
音像定位
 3.90
ダイナミクス
 4.00
ノイキャン無し
 3.40
重量
7g(片耳)
連続再生時間
7時間(約)
対応コーデック
SBC、AAC、LDAC
ワイヤレス充電
空間オーディオ
マルチポイント
3台
型番
EAH-AZ80-S
ゴン川野 氏
オーディオライター
ゴン川野 氏 のコメント

中低域の量感が圧倒的で高域にまで影響しているが、音色はウォームでどんな楽曲も熱く聞かせてくれる。

飯田有抄 氏
クラシック音楽ファシリテーター
飯田有抄 氏 のコメント

音の立ち上がり時の解像感にパナソニック「Technics EAH-AZ100」と差があるのと、音質的にはパナソニック「Technics EAH-AZ100」のほうが深みやまろやかさが出ている。

解像度

飯田有抄 氏
クラシック音楽ファシリテーター
飯田有抄 氏 のコメント

パナソニック「Technics EAH-AZ100」と比較して音の線が細く、解像感はあるが、弦楽器の音色のまろやかさが減少。

クリアさ

飯田有抄 氏
クラシック音楽ファシリテーター
飯田有抄 氏 のコメント

若干、全体的に音が痩せる印象があるので、質感的にはパナソニック「Technics EAH-AZ100」のほうが高評価。

音域のバランス

ゴン川野 氏
オーディオライター
ゴン川野 氏 のコメント

パナソニック「Technics EAH-AZ100」に比べて、やや中域を抑えたドンシャリで、低域がこもりがち。

音像定位

飯田有抄 氏
クラシック音楽ファシリテーター
飯田有抄 氏 のコメント

パナソニック「Technics EAH-AZ100」と差は感じられない。オーケストラも楽器セクションの配置がよく伝わる。

ダイナミクス

ゴン川野 氏
オーディオライター
ゴン川野 氏 のコメント

ダイナミックレンジは広く、小音量でも音が痩せない。

ノイキャン無し

ゴン川野 氏
オーディオライター
ゴン川野 氏 のコメント

ノイキャンオフのほうが低域は出るが、バランス的にはオンのほうが好ましい。

【ミドルクラス】パナソニック「Technics EAH-AZ60M2」

総合評価: 3.96

 
解像度
 4.25
クリアさ
 3.90
音域のバランス
 4.00
音像定位
 3.75
ダイナミクス
 3.50
ノイキャン無し
 4.00
重量
7g(約、イヤホン片耳)、45g(ケース)
連続再生時間
7時間(約)、24時間(約、充電ケース使用時)(ともにANCオン、AAC再生)
対応コーデック
SBC/AAC/LDAC
マルチポイント
3台
型番
EAH-AZ60M2-K
ゴン川野 氏
オーディオライター
ゴン川野 氏 のコメント

ハイエンドモデルと比較して、なめらかさより粒立ちが強調され輪郭をクッキリさせるため、女性ボーカルの色気が薄れる。

飯田有抄 氏
クラシック音楽ファシリテーター
飯田有抄 氏 のコメント

音作りの方向性は、明らかにパナソニック「Technics EAH-AZ100」やパナソニック「Technics EAH-AZ80」とは違う。音楽的な面白さでは、パナソニック「Technics EAH-AZ100」やパナソニック「Technics EAH-AZ80」に比べるとやや劣るかも。

解像度

ゴン川野 氏
オーディオライター
ゴン川野 氏 のコメント

高域が強いため解像感は高く感じられる。上級機と比較して低域の解像度は低い。

クリアさ

ゴン川野 氏
オーディオライター
ゴン川野 氏 のコメント

高域の音の輪郭がはっきり描かれるためクリアさは感じる。音色的には心地よくない。

音域のバランス

飯田有抄 氏
クラシック音楽ファシリテーター
飯田有抄 氏 のコメント

パナソニック「Technics EAH-AZ100」やパナソニック「Technics EAH-AZ80」に比べて高音寄り。ピアノ独奏はアタック音がわりときつく感じる。

音像定位

ゴン川野 氏
オーディオライター
ゴン川野 氏 のコメント

高域の輪郭がクッキリして定位は明確。ボーカルが目立つため広がり感はやや狭い。

ダイナミクス

飯田有抄 氏
クラシック音楽ファシリテーター
飯田有抄 氏 のコメント

ギターの繊細な音の変化をパナソニック「Technics EAH-AZ100」は伝えてくれるが、パナソニック「Technics EAH-AZ60M2」はやや弱いと感じる。

ノイキャン無し

飯田有抄 氏
クラシック音楽ファシリテーター
飯田有抄 氏 のコメント

オフにすると弦楽器の音色が一段と鮮やかになる。ノイキャン有無の違いが大きい。

【エントリークラス】パナソニック「Technics EAH-AZ40M2」

総合評価: 3.74

 
解像度
 4.13
クリアさ
 4.00
音域のバランス
 4.08
音像定位
 3.25
ダイナミクス
 3.50
ノイキャン無し
 2.75
重量
5g(片耳)
連続再生時間
5.5時間(約)
マルチポイント
3台
型番
EAH-AZ40M2-N
ゴン川野 氏
オーディオライター
ゴン川野 氏 のコメント

高域が硬質になり、テクニクスの個性が感じられない。致命的な弱点はないが個性のない優等生的な音になった。

飯田有抄 氏
クラシック音楽ファシリテーター
飯田有抄 氏 のコメント

正直、コスパとしてはパナソニック「Technics EAH-AZ60M2」よりも優れている。温かみのあるサウンド、切れ味よりは柔らかさを好む人にはぜひおすすめしたい。

解像度(価格差:大)

飯田有抄 氏
クラシック音楽ファシリテーター
飯田有抄 氏 のコメント

解像感は低いが、弦楽器の音色の特性などがしっかり伝わる不思議なセッティング。

クリアさ(価格差:小)

ゴン川野 氏
オーディオライター
ゴン川野 氏 のコメント

ドンシャリに近いバランスで高域はクリアに聞こえる。女性ボーカルのヌケもいい。

音域のバランス(価格差:大)

飯田有抄 氏
クラシック音楽ファシリテーター
飯田有抄 氏 のコメント

パナソニック「Technics EAH-AZ60M2」よりも低域側の音色がふくよか。バランスがよく温かみのある響きが心地いい。

音像定位(価格差:中)

飯田有抄 氏
クラシック音楽ファシリテーター
飯田有抄 氏 のコメント

音像定位は全体的に曖昧。でも不快感はないので、個人的には弱点に感じない。

ダイナミクス(価格差:小)

ゴン川野 氏
オーディオライター
ゴン川野 氏 のコメント

解像度の低下によってダイナミックレンジが狭くなり、音の分離が悪くなる傾向。

ノイキャン無し(価格差:中)

ゴン川野 氏
オーディオライター
ゴン川野 氏 のコメント

ノイキャンによる音質の変化は最も少ない。これならオンのまま聞いても構わない。

AV機器値段で音はどう変わる?

【音質のPOINT】価格差が出たのは解像度と音域のバランス

やっぱり音質の差は値段なりでした!

やっぱり音質の差は値段なりでした! ワイヤレスイヤホンの実機検証(hands-on review)おすすめ イメージ

当然の結果ともいえますが、価格の差はやはり音質に大きく現れました。

ハイエンドクラスのパナソニック「Technics EAH-AZ100」やパナソニック「Technics EAH-AZ80」は、解像度をはじめとするすべての項目で高得点なのに対し、ミドルクラスのパナソニック「Technics EAH-AZ60M2」とエントリークラスのパナソニック「Technics EAH-AZ40M2」では、解像度や音像定位、ダイナミクスが弱い結果となりました。

特にパナソニック「Technics EAH-AZ100」では、音楽に立体感があり、細かな音まで鮮明に聴こえますが、パナソニック「Technics EAH-AZ60M2」とパナソニック「Technics EAH-AZ40M2」ではそれらがやや甘く感じます。

ハイエンドクラスとミドルクラス以下では別物といえるほど音質に差があるため、音質重視ならハイエンドクラス一択でしょう。

パナソニック「Technics EAH-AZ100」とパナソニック「Technics EAH-AZ60M2」では1万円以上の価格差ですが、その価値は十分にあると感じました。

ゴン川野 氏
オーディオライター
ゴン川野 氏 のコメント

パナソニック「Technics EAH-AZ100」は、新設計の磁性流体ドライバーを採用したことで、テクニクスがEAH-AZシリーズで出したかった音質に近づいたと思う。パナソニック「Technics EAH-AZ80」よりもパナソニック「Technics EAH-AZ100」がおすすめ。

飯田有抄 氏
クラシック音楽ファシリテーター
飯田有抄 氏 のコメント

パナソニック「Technics EAH-AZ60M2」よりもパナソニック「Technics EAH-AZ40M2」のほうがクリアさや音質のバランスがよく、音作りもいい感じ。温かみのある音なのでピアノやギター独奏など落ち着いた音楽に合いそう。

AV機器価格によってノイキャン効果はどう変わる?

【ノイキャンのPOINT】ノイキャンの効果は価格にしっかり反映されました

【ノイキャンのPOINT】ノイキャンの効果は価格にしっかり反映されました ワイヤレスイヤホンの実機検証(hands-on review)おすすめ イメージ

ワイヤレスイヤホンを選ぶ基準として、ノイキャンの性能に注目している人も多いでしょう。ここではノイキャン性能の違いを検証しました。

まずは、人の話し声や食器が当たる音で騒がしいカフェの店内。結果はパナソニック「Technics EAH-AZ100」が圧勝でした。

女性の話し声はわずかに聞こえるものの、男性の声やカトラリーの音はほとんど抑えられています。

一方、パナソニック「Technics EAH-AZ60M2」やパナソニック「Technics EAH-AZ40M2」は、カトラリーの音やザワザワとした音を低減していたものの、スッと音が消えるほどの効果はありません。

また、電車内や街頭のテストでもパナソニック「Technics EAH-AZ100」が好成績。

新搭載のアダプティブノイズキャンセリングが、街頭で効果的にノイズを抑えているようで、同じハイエンドのパナソニック「Technics EAH-AZ80」では抑えきれなかったバイクやトラックの音まで効果的にカットしました。

街頭、カフェ、電車内でノイキャンを比較

街頭、カフェ、電車内でノイキャンを比較 ワイヤレスイヤホンの実機検証(hands-on review)おすすめ イメージ
※室内ではボリューム30%、電車内や街頭では50%で音楽を再生して検証

こちらもハイエンドクラスが好成績で電車内や街頭でも快適! ミドルクラス以下では、騒音は抑えていますが、音楽をクリアに楽しめるほど効果はありませんでした。

また、バイクの音など特定の音を抑えきれず、場所によってはボリュームをさらに上げないと聴きづらく感じます。

ミドルクラス以上は電車内でもクリアに聴こえました

騒がしい環境でも音楽をちゃんと楽しめる

ミドルクラス以上は電車内でもクリアに聴こえました ワイヤレスイヤホンの実機検証(hands-on review)おすすめ イメージ

パナソニック「Technics EAH-AZ100」とパナソニック「Technics EAH-AZ80」は走行音が軽減し、アナウンスもわずかに聞こえる程度。車内で音楽を聴くには十分な効果があります。

パナソニック「Technics EAH-AZ60M2」も騒音を抑えていますがハイエンドの2台に比べると効果が弱いです。

パナソニック「Technics EAH-AZ40M2」はさらに弱く、ゴーという走行音が音楽の邪魔をするので快適とはいえません。

静けさが欲しい! 音楽なしでノイキャンをチェック

静けさが欲しい! 音楽なしでノイキャンをチェック ワイヤレスイヤホンの実機検証(hands-on review)おすすめ イメージ
※ノイキャンをオンの状態で、音楽をかけずに騒音がどれくらい削減するかのテスト。
※ノイキャンの強度は最高設定で検証しています。
人の声は聞こえるが集中はできそう

カフェで集中したいそんな時に便利です

人の声は聞こえるが集中はできそう ワイヤレスイヤホンの実機検証(hands-on review)おすすめ イメージ

パナソニック「Technics EAH-AZ100」を装着した瞬間、店内の騒音がスッと減少しました。

ただし、近くの人の声は小さくなるものの、完全には消せません。それでも、読書や勉強などに集中するには十分な効果です。

ミドルクラス以下では、隣の席の会話が分かるほどノイキャン効果が劣り、集中するにはやや厳しい印象です。

テクニクス以外のモデルでも価格差による違いは似た結果に!

【ハイエンドクラス】BOSE「QuietComfort Ultra Earbuds」

重量
6.24g(片耳)
連続再生時間
6時間
対応コーデック
SBC、AAC、aptX Adaptive
ワイヤレス充電
空間オーディオ
マルチポイント
2台
型番
QUIETCOMFORT ULTRA EARBUDS WHI

【ミドルクラス】JBL「LIVE BEAM3」

重量
5g(イヤホン片耳)、72g(ケース)
対応コーデック
AAC/LDAC/LC3(対応予定)
連続再生時間
12時間(約)
マルチポイント
2台
型番
JBLLIVEBEAM3BLU

【エントリークラス】エディファイア「W260NC」

重量
4.9g(片耳)、50.2g(約、ケース込み)
連続再生時間
6時間(ANC入)、8時間(約、ANC切)
防水性能
IP54
対応コーデック
AAC、SBC、LDAC
ドライバー
デュアルダイナミックドライバー
マルチポイント
2台
型番
W260NC

使い勝手のテストでは、上記の3製品を含めて検証しました。

ノイキャンに強いBOSE「QuietComfort Ultra Earbuds」やJBL「LIVE BEAM3」、エントリークラスでベストバイに輝いたエディファイア「W260NC」です。

この3台のテストでもノイキャンの効果はテクニクスとほぼ同様の結果でした。一般的にノイキャンはクラスが上がるほど効果が高いと考えてよいでしょう。

なお、通話マイクの性能はJBL「LIVE BEAM3」が弱く、エントリークラスのエディファイア「W260NC」とほぼ互角でした。

AV機器外音取り込みやマイク性能を検証します!

【外音取り込みのPOINT】外音取り込みを重視なら断然ハイエンド!

音楽を聴きながら周囲の音を確認できるか?

音楽を聴きながら周囲の音を確認できるか? ワイヤレスイヤホンの実機検証(hands-on review)おすすめ イメージ
※室内ではボリューム30%、屋外では50%で音楽を再生して検証

音楽を聴きながら、同時に周囲の音を確認できる「外音取り込み」機能。散歩を想定した路地、移動中の電車内、さらに仕事中や家事の最中に声をかけられたときを想定した室内でのテストです。

パナソニック「Technics EAH-AZ100」はどのシーンでもしっかりと外の音が認識でき、これなら音楽を聴きながら安心してジョギングなどができます。

パナソニック「Technics EAH-AZ60M2」もなかなかの好成績。路地と室内でやや聞き取りにくい場面がありましたが、どのシーンでも周囲の状況が確認できました。

パナソニック「Technics EAH-AZ40M2」は外の音が聞こえるものの、路地では自転車の音が認識しづらく、室内では少し大きな声でないと、声をかけられたことに気がつきませんでした。

太田圭一 氏
ライター/エディター
太田圭一 氏 のコメント

パナソニック「Technics EAH-AZ100」は、散歩中に自分の足音が聞こえるほど周囲の音がよく聞こえます。背後から自転車が近づくのもわかりました。

エントリークラスは周囲の音に気がつきにくい

自転車が来ても気がつかないかも

エントリークラスは周囲の音に気がつきにくい ワイヤレスイヤホンの実機検証(hands-on review)おすすめ イメージ

パナソニック「Technics EAH-AZ40M2」は、車やバイクなどの大きな音は聞こえますが、人の声や自転車の音などは聞こえづらいと感じました。

外音取り込み機能は、イヤホンに装備されたマイクによって外の音を取り込みます。マイクの性能がコスト面で抑えられているのかもしれません。

電車内のアナウンスはどの価格帯もOK

電車で乗り越しの心配なし!

電車内のアナウンスはどの価格帯もOK ワイヤレスイヤホンの実機検証(hands-on review)おすすめ イメージ

電車のホームや車内のアナウンスは、どのクラスでも聞きづらさはなく、エントリークラスのパナソニック「Technics EAH-AZ40M2」でもしっかりと聞こえました。

テクニクス以外のBOSE「QuietComfort Ultra Earbuds」やJBL「LIVE BEAM3」、エディファイア「W260NC」に関しても同様の結果で、価格差はあまりないといえます。

【マイクのPOINT】どのモデルも合格点。しかし音割れする製品も

通話時の音声を双方でチェック

通話時の音声を双方でチェック ワイヤレスイヤホンの実機検証(hands-on review)おすすめ イメージ

通話相手にイヤホンマイクの音声が綺麗に聞こえるか、室内と人混みの多い街頭でテストしました。

パナソニック「Technics EAH-AZ100」はクリアで自然な音質。特に屋外では、通話マイク用のノイキャンが効果的に機能し、周囲が騒がしい場所でも聞き取りやすい音声です。

パナソニック「Technics EAH-AZ60M2」は、わずかにマイクっぽさがありますが、音量が十分あり音質もクリア。

パナソニック「Technics EAH-AZ40M2」は、さらにマイクっぽさが増して、割れぎみの音質。ただし、音がこもることはなく、会話しづらいこともありません。

他社製品との比較では、JBL「LIVE BEAM3」の音質が悪く、エディファイア「W260NC」が好印象だったので、通話マイクの性能は価格差というよりも、メーカーの差が大きいと感じました。

土屋慶祐
家電批評編集部 副編集長
土屋慶祐 のコメント

価格なりに音質の差は出ましたが、極端に違うということはなく、少し音が濁るとか割れてる感じがする程度でした。

AV機器中間価格のミドルクラスを選びがちですがミドルよりエントリークラスがお買い得!

最終結論! 音質や使い勝手の総合グラフ

最終結論! 音質や使い勝手の総合グラフ ワイヤレスイヤホンの実機検証(hands-on review)おすすめ イメージ

音質とノイキャンの比較では、エントリークラスとミドルクラスの差が少なく、ハイエンドクラスで一気に点数がアップする結果に。

これは、テクニクス以外のBOSE「QuietComfort Ultra Earbuds」やJBL「LIVE BEAM3」のテストでも同様で、近年のエントリークラスの性能の高さがうかがえます。

心情的には、中間の価格帯であるミドルクラスを選びがちですが、今回のテストではエントリークラスが優秀でお買い得という結果になりました。

音質にこだわるなら、ハイエンドクラスを選ぶほうが満足度は高いでしょう。

AV機器イヤホンの売れ筋ランキングもチェック!

イヤホンのAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。